長崎市の三方山流域(松崎町)水質データ改ざん問題に絡み、同市が昨年九月実施した臨時調査の結果、国の環境基準を上回る総水銀を検出しながら市議会に報告していなかった問題で、伊藤市長は十七日、記者会見。この事実を認めた上で「一連の問題で原因解明、対策検討などの作業を現在、全力で進めており、市民に納得のいく形で今月中にも結論を公表する」と述べた。
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同市は昨年七月の定期調査で同基準(1g中0.0005r以下)を上回る0.0006rの総水銀を検出したが、これを基準未満に改ざんしていたことが先月、発覚している。今回さらに、その後の調査でも基準を超える総水銀を検出しており、最高値は基準の二倍を超える0.001r以上に上ったにもかかわらず、調査結果を隠していたという事実が明るみに出た。
公表しなかったことについて市長は「逃げたり避けたりするつもりではないが、今、個々のデータを公費すると中途半端になると考えた。確かに驚くべき数値かもしれないが、市民の生活にかかわる大事な問題でもあり、情報の断片的な公表で市民に不信感をもたらすことは好ましくない」と説明した。