長崎市の水質データ改ざん問題
助役も関与、辞職願提出
環境部長の報告を黙認
長崎市の水質データ改ざん問題で、江口圭介助役(60)が、データ改ざん直後に環境部長(先月未、諭旨免職処分)から改ざんの報告を受けながら黙認していたことが二日、分かった。助役の関与が明らかになり、伊藤一長市長は同日、緊急記者会見し陳謝、同助役から辞職願が提出されていることを明らかにした。
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同市議会各派代賢者会議と記者会見で、市長が明らかにした。
市長によると、江口助役は昨年十一月上旬、当時の環境部長から環境基準を超えた総水銀喧値(三方山流域で同七月三日調査)を改ざんし同十月三十一日、市議会総務委員協議会に提出したとの報告を受けていた。市長は改ざん関与の事実について今月一日、同助役から初めて聞いた。助役は先月三十日、市長に辞職願を提出したという。
また、改ざんされた総水銀値は水質試験成績として昨年十一月十九日、市民に情報公開。助役は虚偽公文書と知りながら同十八日付で公開を認める決裁をした。
助役の関与が明らかとかり、市長は「事務助役という最高管理監督者として、信頼を失墜する行為であり遺憾。市民、市議会に対して申し訳ない。一日も早く真相を究明し、市民が納得できる形で信頼を回復していきたい」と述べた。
市長は助役に対し自宅謹慎を命じた。辞職顧については長崎署の捜査段階であり市長預かりとしている。今後、捜査機関の判断を待って、吏員懲戒審査委員会に諮つて懲戒処分などを決める方針。江口助役(事務助役)の分担事務については犬束洋志助役(技術助役)が当分の聞兼務する。
長崎市の水質データ改ざん助役関与
「何度だませば」
市民、市議会不信と不満が噴出
「何度だませば気が済むんだ。これ以上、隠し事はないのか」―長崎市の水質データ改ざん問題は二日、同市助役の関与にまで発展した。伊藤市長はこの日、江口圭介助役が改ざんの報告を受けていたことで陳謝。市議会や市民から不信と不満の声が噴出した。
「私の補佐役として、あってはならないことだ」。新たな事実発覚で、予定より二時間半遅れて始まった市議会各派代表者仝議。伊藤市長は江口肋役が改ざん問題に関与、辞職願が出されていることを報告、強い遣憾の意を表した。
その三十分後。市長は記者会見でこう切り出した。
「私が知らない、いろんなことが出てきた」。市長によると、同助役は先月未から長崎署の取り調べを受けた。その中で、これまで助役自身が否定していた関与の事実が明らかになったという。
「だれを信じていいのか分からない」。同市職員の声だ。男性職員(48)は「助役が関与していたとは」と驚き「われわれは『公僕』として、職務を誠実にこなしていくしか道はない」と言葉少な。
市役所従業員組合の柴田勇輝執行委員長は「真相解明もまだだ。最も責任を負うべき助役が簡単に辞表を出すのは、市民に対して無責任」と指摘。同市中小島一丁目の無職、村上祥高さん(62)も「問題を解決する気があるなら、最後まで残って調査、対策に全力を注ぐべき」とあきれ顔。
同代表者会議の開会前、議長室に次々と呼び込まれた理事者。議員の一人は「まだ、隠された事実がある。すべてをはっきりしなければ信頼回復はない」と指摘する。これに対し市長は「九日の臨時会まで時聞かある。(残された疑惑について)関係者から事情を聴き検証したい」と全容解明に臨む考えを示した。