北アルプスのさわやかな風が吹き一年中鈴虫の声が聞こえる村に
オープンした安曇野ちひろ美術館
長野県松川村
☆道祖神めぐりもできる安曇野のミュージアムロード
「ちひろゆかりの地で、安曇野らしい風景が残されているところに『ちひろの美術館』を建てたい・・・」そんな願いにぴったりだったのが、四月一九日に安曇野ちひろ美術館がオープンした長野県北安曇郡松川村。
東は犀川、西はそびえ立つ北アルプス、西はその裾野の梓川村から北は大町市にかけての豊かな水田とりンゴ畑やワサビ田など豊かな田園風景の広がる安曇野は道祖神や馬頭観音など野仏の宝庫、さらに各町や村には美術館や資料館が数多くあって、道祖神めぐりや美術館めぐりが楽しめます。
明科町、豊科町、穂高町、梓川付、堀金村、三郷村、山形村、松川村など安曇野広域農道を中心に右左の小道の辻々に、男女ニ神が寄り添い、愛しそう‥に相手をギュッと抱き締めていたり、大胆にキスをしたりしているユーモラスな姿の双体道祖神や馬頭観音などがたっています。
安曇野の美術館といえは穂高町の碌山美術館が代表格。ツタの格まるチャペル風の建物に、地元出身の近代彫刻の先駆者”東洋のロダン”と呼ばれた荻原碌山の作品を展示、新館には高村光太郎や中原悌二郎の作品も展示してある碌山美術館。近代山岳画家の草分けの足立源一郎をはじめ加藤水城、上田太郎など日本山岳画協会の会員たちの作品を展示している安曇野山岳美術館などのほか、光太郎・碌山の流れをくむ日本近代彫刻を代表する彫刻家高田博厚の作品を常設展示しているロマネスク様式の建物が印象的な豊科近代美術館、高山の蝶や山岳写貞を展示する田淵行男記念館、安曇野の魅力を世に知らせた臼井吉見文学館、町ゆかりの作家の作品を飾る池田町立美術蝕、俳優の片岡鶴太郎などの絵を展示する夢穂高美術館などさまざまな個性的なミュージアムが点在しています。
☆村を挙げて歓迎された安曇野ちひろ美術館の建設
松川村在住のちひろの妹さんの…石崎純子さんと、現安曇野ちひろ美術館館長の松本猛さんが、ちひろにゆかりのある松川村に「ちひろ美術館を建てたい」と申し出たのが5年前の十一月、他の町村のように村にも優れた文化施設が欲しいと願っていた村は、一か月後に議会をはじめ村をあげて受け入れを決定。
35,000平方メートルの美術館の建設予定地も、安曇野らしさを残しているところということで、20年前に原野を開拓して水田になっていた場所を提供、美術館を中心に、復元したちひろの黒姫山荘、村の小学生が植林した広葉樹の林や、せせせらぎの道、村の「花が咲いている村づくりの会」の人たらが植えた花の咲く道、ちひろの道などの遊歩道、すずむしの庭、石のオブジェのあるパツォウスカーの庭など村で整備、「安曇野ちひろ公園」としてオープンしています。
松本館長の「この美術館は、絵本を読むのと同じように、楽しく、心をなごませて絵と語り合える場所にしたいと思っています。安曇野の自然のなかで、身も心も自由になって一日を過ごしていただけれは幸いです。そして、つらいときや悲しいときに、ふっと『あそこは心が楽になれる場所だった』と思い出して、訪ねたくなる美術館でありたいと思います・・・山々を眺め、せせらぎの音を聞き、風を感じながら丘を登って、新しい美術館の扉を開けて下さい」という言葉の通り、素晴らしいロケーションのなかの美術館です。
☆ちひろの世界にたっぷり触れられる
懐かしいどこかで必ず出会っているちひろの原画約70点が飾られている「いわさきちひろ」展示室。ここは四つのコーナーに分かれていて最初のコーナーは代表作とゆっくり語り合うところ、若き日のちひろとの出会いのコーナ、三番目はは絵本のコーナー、最後はちひろと信州のコーナーです。
世界の絵本作家の作品約100点を展示した第2展示室、貴重な絵本の資料や原画を展示した絵本の歴史展示宗などのほか、子どもに読み聞かせもできる絵本の部屋、子どもたちが遊べる子供の部屋、喫茶コーナーなどがあります。
すぐ隣に、村営の宿舎と露天風呂のある温泉浴場のすずむし荘があるので、安曇野散策の基地にするとよいでしょう。
【メ モ】
○安曇野ちひろ美術館
・入館料800円、中高校生500円、小学生300円
開館期間=三月一日〜十一月三十ー日 水曜休 (GWと八月無休)
п@0261・62・0777
●父通=JR太糸線信濃松川駅からタクシー3分・徒歩25分、穂高・信濃大町駅からタクシー15分
●馬羅尾天狗岩温泉すずむし荘・・・入浴、、10時〜21時木曜休400円宿泊・和室5室、洋室五室、特別室一室(身障者用)一泊2食9,500円〜
п@0661・62・8500
●松川村観光協会
п@0261・62・4815