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市従組情報	1997年2月6日

		「中心碑」署名の電算記録問題で2回目の市労連申し入れ
	長崎市当局の民主主義に対する感覚の欠如!
		電算入力はあくまで集計作業?

 市労連三役は昨日昼休み、昨年の12月26日に引き続いて「『原爆落下中心碑』撤去・移転の見直し
を求める請願署名」の電算記録問題を中心に、市労連申し入れに対する、市当局の考え方を質しました。
当局側から、総務部長・企画部長・人事課長・情報システム課長等が出席し、昨年同様「ただ集計作業と
して処理したものであり条例等には抵触しない」「審議会にもそのように答えた」と強弁しました。市労
連はすぐさま、「市のそういった行政姿勢は、市民の思想信条・言論の自由、請願権を否定することにつ
ながるものであり、現実の問題として最近行った街頭署名の中で、市民から『署名したら入力さるっとや
ろ』といった反応が返ってきている」と実例を挙げ反論しました。これに対応した人事課長は、「そうい
った意図をもってやったわけではなく、あくまで集計作業として行っただけである」と繰り返し、昨年
12月以来、電算記録問題では市民・マスコミあげての批判があったにもかかわらず、何一つ反省の材料
としていない当局の姿勢は大いに批判されるべきです。
 長崎市当局は、自らの判断(『集計作業』)で行った電算記録業務がこれだけ大きな問題として市民や
マスコミに影響を与えたことに対して、もっと真摯に事態を受け止め、市民生活を守る立場での民主主義
のあり方を学ぶ必要があります。

 	署名した職員に直接尋ねるという無神経さはどこから来るもの?

 さらに市労連は、市長や担当部長が直接、署名した市民や職員に尋ねた問題で、特に、担当部長が当該
職員の職場まで出向くなどしてその真意を尋ねるという行為は、守秘義務(業務上知り得た秘密)に違反
するとともに請願権に対する圧力であるとして当局の考え方を質しました。これに答えた人事課長は、
「あくまで二人の問題であり、一般的に尋ねることは常識的にもありうる」「どういった意図で尋ねたの
かということもある。どこが問題なのか。法的に違反しているとかそういうものではないのではないか」
と、まさに常識を疑うような答弁を行いました。さらに総務部長にいたっては「組合が回覧しているさま
ざまな署名はオープンではないか。それとどこが違うのか」と的外れな答弁も飛び出しました。このよう
な行為そのものがあってはならないことであり、民主主義の基本ともいえる部分ですが、市幹部の民主主
義の欠如は甚だしいものがあります。また、昨年12月22日付長崎新聞報道における「反対署名に知人
の名−長崎市長が真意聞く−」を引用して、こういった記事が新聞に掲載された点で、真意を尋ねられた
人の気持ちをどう感じるか、また何故掲載されたのか質問しましたが、これに対しても「マスコミはこう
いった問題を書くものだ」と、まったく組合側の質問の真意をねじ曲げた解釈に終始しました。

	失政の責任を職員に転嫁するなどもってのほか!

 最後に市労連は、1月24日付長崎新聞等の報道で明らかになった「市政モニター問題」で組合の主張
を申し入れました。
 市労連は、新聞報道の中にある部長の説明で「職務怠慢」という表現があり、担当職員に責任を転嫁す
ることにつながり問題であると指摘しました。昨年も『中心碑』問題で当該職員に責任を転嫁するような
幹部発言があっており、こういった無責任な対応のあり方を改める意味で当局の姿勢を質しました。さら
に業務多忙であるならば人員増をするなど何らかの対応をすべきではないのかと追及してこの日の申し入
れを終わりました。

 	『今、長崎市政に求められる真の民主主義の確立』 −まず、行政内部の民主化の確立を−

 この日のやり取りで明らかになったことは、市幹部の民主主義の意識の欠如に尽きます。現場の職員の
進言や意見を聞く、市民の意見・声を聞く、今回の騒動の一番の原因はこういう原則的な対応を怠ってき
市当局の姿勢にあります。鶴の一声、いわゆるトップダウンのやり方が通用する時代は終わりました。市
当局は、憲法を暮らしに活かす行政のあり方について幹部を中心に学ぶべきです。