長編アニメーション作品「NAGASAKI・1945 〜アンゼラスの鐘〜」
製作を支援するナガサキの会 発足アピール

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 59年前の夏、ヒロシマ・ナガサキから、この地球上には恐るべき核兵器時代がはじまった。20世紀は、ヒバクシャの核廃絶の願いも届かず、今、21世紀の世界は、テロと武力による報復に明け暮れ、果てしない苦痛にあえいでいる。核兵器国は大量の核弾頭をもちつづけ、核の拡散がじりじりと進む。

 このようなときに、59年前の被爆地の真っ只中で、青年医師秋月辰一郎が病院スタッフとともに、瀕死のヒバクシャの医療に立ち上がり、崇高な人類愛にめざめる物語が、ついにアニメとなって登場する。

 浦上の原子野で、核により人類がほろびるかもしれない現実を直視する秋月に我々は再会する。人類の誤った知能がもたらした原子の力にバタバタと倒れるヒバクシャを前に、医師として、人間として苦悩する秋月の姿は、60年後の今も世界のいたるところで再現されようとしている。いま必要なのは、秋月が示した、核兵器をもたらした人類の知能に対する怒りであり、同時にその犠牲者を救おうとする愛の精神であろう。

 人類の未来を担う若者に知って欲しい、医師秋月の苦悩から生まれた人間愛に満ちた言葉の数々を。そして世界に届けよう、ナガサキのヒバクシャが苦悩の中から切り拓いた再生の40日間の物語を。

 ヒバクシャが最後の力を振り絞って発信する全人類へのメッセージを、我々はこのアニメに託したい。日本の、そして世界の若者が、ヒバクシャからバトンを受け継ぎ、核廃絶への道を雄々しく歩みはじめるのを期待しつつ。

2004年10月14日 長崎から
「アンゼラスの鐘」製作を支援するナガサキの会結成総会

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