We Shall Overcome

 原爆症認定裁判で勝利した松谷英子さんの閉会宣言までは決まったのですが、閉会集会の終り方はなかなか決まりませんでした。"We Shall Overcome"(勝利を我らに)というピート・シーガーの曲を全員合唱しようと提案したのですが、支持・不支持両論があり結論が出ません。故キング牧師をリーダーとしたアメリカ公民権運動のプロテストソングであり、核兵器廃絶運動には馴染まないというのですが真意がよく理解されず、中学校の英語の教科書でも紹介されている大衆歌だとの反論も全体を納得させきれないまま、会議の度に論議不足で終わっていました。タイムリミットの時を迎え断念、代わりにBGMを流すこととし、選曲は舞台監督に任されました。この論議は集まった人々のそれぞれの主張を最後まで尊重する気風を創り出しました。

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