里 正善@長崎市役所です。
<URL http://www.bb.wakwak.com/~reshow/><E-Mail reshow@bb.wakwak.com>
(蛇足ながら、@[アットマーク]の後ろの「長崎市役所」は私の職場です。またこれはインターネットユーザーの常識ですが、別に私が長崎市役所を代表してとか、或いは長崎市役所の要請を受けて、このホームページを作成しているものではありませんし、私個人の責任で発信しています。もしあなたがインターネット超初心者でこのことが「よく理解できない」という場合はネチケットのページをご覧になって、少々お勉強されることをおすすめします。)
是非、多くの率直な意見をE−MAILでお寄せください。
お寄せいただいた意見は原則として、このホームページ上で、修正せずに「公開」させていただきます。
「公開」を希望されない方は、その旨明記してください。
事実の確認については、新聞記事を参照してください。
「条例違反」と指摘されている件については、長崎市個人情報保護条例を参照願います。
「憲法違反」との指摘もありますので、「条例」の後に関連条文を掲載しました。
はじめに、私の立場と見解を述べます。
私は「条例」に基づいて設置されている「個人情報保護審議会」の委員
(長崎市職員2名のうちの一人)です。
この問題は大きく3つの視点から見る必要があるのではないか、と考えます。
(1)署名簿は条例第5条第2項にいう「個人の思想、信条」に関する書類であり、
「記録してはならない」事項である。従って、条例に抵触する。
(2)署名はその数を把握すれば足りるのであって、「集計のため」とはいえ、電算入力されると、
「平穏に」請願できなくなり、憲法に保障された請願権への侵害になる。
(3)住民情報の、いわゆる「コンピューター」の利用については、主権者である住民の理解と
納得の上になされるべきものであり、節度ある利用が求められている。今回の事態は、
住民に無用の不安を招き、行政の電算利用全般に悪影響を及ぼすことが懸念されるものであり、
長崎市当局は住民の信頼回復のため、特段の努力を払うべきである。
次に、原爆落下中心碑の撤去建て替え問題そのものについては、私は、確たる見解を持っていません。 ただ、女神像設置が市民に支持されているとは言えないのではないか、と感じています。 この問題についても、意見を求めます。
なお、寄せられた意見の分析結果、それを踏まえた私の見解については、 随時掲載させていただきます。
本日付、朝日新聞記事を見てすぐに書いています。
「長崎市を職員が批判」の見出しはいただけません。 これでは、私が長崎市に全面的に敵対しているかのような印象を与えてしまいます。
リードにあるように、せめて「市の対応を批判」ぐらいにしていただきたかったです。
めげずに頑張ります。
1月17日開催の個人情報保護審議会について報告します。
本日の審議会は、諮問案件1件を承認した後、 「原爆中心碑反対署名簿電算入力についての経過報告」を
事務局(企画部長)より受けました。
11月29日に提出された署名簿について、都市計画部長より相談を受け、
「12月定例市議会の建設水道委員会で質問が予想されるので、急ぎ分析しておきたい」と考え、
その日のうちに「時間的に余裕がない」ので電算処理しようと二人で判断し、
その日の時間外から3日間(金、土、日)、都市計画部、情報システム課、 総合企画室の職員77名(のべ147名)の職員で、パソコン入力し、
集計作業を情報システム課の汎用コンピュータで行った。
まず、手作業で市外分をを除外し、市内居住者分を20数台のパソコンで入力した。
入力項目は氏名、住所のみで、記録はせず、数値のみ汎用コンピュータで集計した後、消去した。
(漢字入力と思われる。)
住民基本台帳データベースとの照合を行ったのではないか、との懸念もあるようだが、
技術的理由により、それは不可能であり、実際実施していない。
Q 長崎市に提出された署名は、これまでも同じように、電算処理してきたのか。
──初めての例。数が多かったため、時間的・人的余裕がなかったため行った。
Q 手作業によって、同様の集計が行われた例は。
──分からない。
Q 重複調査、世帯別調査の方法は。
──住所、氏、名、でソートし汎用コンピュータで集計した。
Q 署名は個人の責任で行うものと思うが、なぜ世帯別にに集計したのか。
──職員としては、一般的にそのように集計すべきものと判断した。
Q 時間外手当は。
──総額で約280万円。
Q 個人情報保護条例第5条第2項に抵触するとは認識しなかったのか。
──単純な集計作業であると考えた。
Q 伊藤市長が知人に「なぜ署名したのか」と尋ねているが。
──電算処理したデータは集計以外の目的には使用していない。 名簿のプリントもしていない。署名の原本を見ての行動と思う。
Q 署名簿は思想・信条を示した書類であると思うが・・・。
──各自治体の判断は、まちまちである。
・情報の高度利用が急速に進展しており、 「記録」と「入力」は分けて考えるべき時代になって
いるのでないか。
・データが残っていないのであるから、条例には抵触しない。
・署名は、街頭でも行われており、特に秘密というものではなく、 公表されてもいいとの認識で行われている。保護すべき思想・信条に関する個人情報ではない。
寄せられた意見にもあるように、「電算入力」には大きな抵抗感があり、行政の都合だけで、
全ての個人情報が自由に扱われていいというものでは決してありません。 「個人情報の電算化」は未だ過渡的な段階であり、
「自由に取り扱ってよい」情報ではまだないのです。
そういう環境の中で、個人情報の有効活用を図ろうとすれば、 住民合意をもっとも大事にしなければならないと思います。
今回の事件によって、長崎市が進めようとする個人情報の高度利用が、 阻害されないか、懸念するものです。
・「審議会は、実施機関に意見を述べることができる」ということに対しての反論はなかった。
・「事務局は本日出された意見について、 調査し報告して欲しい」という意見に対する否定的見解は示されなかった。
・「政府(自治省か)の判断についても、問い合わせて欲しい」、との意見が出された。
・本日の審議会で、「この報告については承認する」との結論は得られなかった。
朝日新聞の報道から一日、約100件のアクセスがありました。
長崎地域において、朝日の購読者が多い、又は見出しがショッキングだったことの現れでしょうか。
それにしては、ご意見がまだ少ないように思います。賛成、反対、ともどもよろしくお願いします。
「民主的」という点では、「匿名」も認めています。よろしくお願いします。
このページを立ち上げてから、今日の深夜でちょうど1週間になります。316件のアクセスをいただき、10件のご意見をいただきました。ありがとうございました。
「非公開」の意見は全くありませんでした。批判もあるはずです。率直な意見を「非公開」でお寄せください。
「非公開」と明示していただければ、あなたに内緒で公開することは決してありません。ご安心ください。
ご意見お待ちしています。
今朝の報道によれば、伊藤長崎市長は「市民連絡会」の代表と初めて話し合いを持ち、議会も含めて市内部で協議すること、抜き打ちに撤去工事をしない、ことを明らかにしたとのことです。
電算処理について話題になったかどうかは不明。
今朝の新聞によれば、伊藤長崎市長は「中心碑問題」で、現中心碑を現状保存し、新たな母子像は別の場所に設置する考えを明らかにした模様。2月2日には「市民連絡会」が公開討論会を、22日には日本共産党が「シンポジウム」を予定するなど、市民の世論の盛り上がりを反映したものであり、市長の英断を歓迎します。
電算処理についてもキッパリとした決着が望まれます。
原爆落下中心碑撤去問題は解決の方向へ向かいつつあるようで、まことに喜ばしい限りです。
「中心碑撤去反対署名電算処理問題も、一連の経過の中での不適切な対応であった」との見解が示されるものと期待しています。
先ほど確認しましたら、644件のアクセスをいただきました。
誠にありがとうございました。素晴らしい解決ができるよう祈ってください。
なお、引き続きご意見を求めています。ご協力よろしくお願いします。
このホームページを開設してから、1ヶ月が経過しました。
はじめは「静かなスタート」だったのですが、1月17日付「朝日」の見出で状況は一変しました。アクセスが急速に増え、職員仲間からも「大丈夫か?」と、心配の声が寄せられるようになりました。
ひとつの新聞記事をきっかけに、自分の真意とは関わりなく「尾ひれ」がついていく。不思議な体験でした。
しかし、考えてみれば、「署名の集計処理をコンピュータを使ってやってみよう」と最初に考えた人も、まさかこんな大問題になるとは考えていなかったのではないかな、と。同じような不思議な体験をしたのかもしれません。
さて、888件のアクセスをいただき、12件の貴重な意見を寄せていただきました。本当にありがとうございました。
この問題については、長崎市役所の職員労働組合も大きな関心を持っています。
長崎市当局は、今のところやはり、「何が問題か」との態度をとっているようです。このままでいいのか、市民のコンセンサスは、いったいどこに求めることができるのか、不安でしようがありません。
本日、個人情報保護審議会の開催日程について連絡があり、3月28日午前10時から5つの諮問案件について開催されることになりました。
前回の審議会で行われた「署名電算処理」問題についての追加の報告も行われるものと思います。
ところで市長は2月24日の長崎市議会各派代表者会議においてコメントを発表していますが、
この間の世論をかなり意識した一歩踏み込んだものとなっているように思われます。しかしこれで市民の理解が得られるかどうか、大きな不安が残ります。
審議会では、さらに踏み込んだ報告が行われることを期待したいものです。
3月28日開催予定の個人情報保護審議会が、遅れて昨日午後2時より開催されました。諮問案件は次の6つ。
(1)母子・寡婦福祉資金貸付金等の個人情報の外部提供
(2)長崎市奨学金の個人情報の外部提供
(3)育成医療・小児慢性特定疾患治療研究事業の電算化
(4)農地基本台帳の電算化
(5)電子計算組織に係るオペレーション業務の外部委託
(6)戸籍事務の電算化
このうち(1)(2)は貸付金を銀行の本人口座に振り込むため、とりまとめ金融機関に必要な情報を提供するもの、(3)(4)は新たに電算化するにあたり、初期入力作業を業者に委託するもの、(5)は水道局電算機のオペレーションを外部業者に委託するもの(市長部局の情報システム課は既に委託している)で、(3)について疾病に関する情報が外部に漏れる可能性等について懸念する意見が出され、「保護者の職業は特に入力の必要はないのではないか」との指摘に対し「検討したい」旨の回答が示され、いずれも承認されました。
(6)戸籍事務の電算化は実施までに約1年半近くを要する近年にない新たな大型の電算化事業であり、初期入力作業を業者に委託すること以上に、実施そのものについて議論が沸き起こりました。その内容は新聞報道にもあるように、「戸籍は最も保護されなければならない個人情報・なぜ急ぐのか」「もっと慎重に」「他の自治体の動向を見極めてから」等の慎重意見が各委員から出され、実際の事務についても踏み込んだ質問、意見が交わされました。
このような危惧する意見は当然の事と思いますし、時間をかけて論議された事により、実施に当たって関係者の「個人情報保護についての認識」を改めて大いに高めることができたものと思います。
なお私は次のような意見を述べ、承認することに賛成しました。
・戸籍の正確性を確保することが最も重要。一般的傾向として「電算は間違わない」という誤解があるが、「論理ミスをチェックする機能がついている」ことなどから記載事項の(人間による)チェックが軽視されることのないよう望む。
・昭和60年度から長い年月をかけて研究されてきたものだけに、大変よく考えられたシステムであると思う。電算機の設置場所もセキュリティの完備した情報システム課のマシン室となっており、バックアップ体制も申し分ない。しかし、翻って本日諮問された他の案件や現在動いている他のシステムは一体どうなのだろうか、ということを考えないわけには行かない。
長崎市役所全体のパソコン等の設置状況、管理の状況を把握し、少なくとも「個人データ保護管理要綱」に基づく管理体制が確立されているか、この際確認する必要がある。
1997年末に発生した、長崎市の水源となっている神浦ダム上流の産業廃棄物処理施設付近での水質検査データが改ざんされていた問題は、市民・職員に大きなショックを与えました。
署名簿電算処理と同根というのは当たらないかも知れませんが、2年続けての異常事態は、今後の長崎市政のあり方を考えていく上で大きな教訓としなければならない問題であったろうと思います。
ここに関係記事・文書をまとめてみました。
1997年1月13日に開設した、このページを閉じさせていただきます。
その後、職場で、新たなクライアントサーバシステムによる個人情報を取り扱う業務を導入することとなり、その開発チームの責任者となりました。去る11月30日には、この問題での個人情報保護審議会が開催され、奇しくもシステムの説明をする側に立つことになりました。なお、個人情報保護審議会の委員は、これを機会に辞任させていただきました。
審議会では「かつての同僚」が説明するとあって、すんなりと異議ない旨の答申をいただきましたが、本来であれば、署名電算処理問題が審議の大きな障害になり得る可能性もあったのではないかと思います。「些細なことと思っていたことが、その後の業務に致命的な悪影響を与える」──正にこれこそが、私が「善処」を求める根拠なのです。
「結局問題になってないんだから、もう蒸し返さなくても・・・」という意見もあるでしょうが、長崎市民のみならず、行政に対する市民の不信が堆積して、いつか取り返しのつかない事態を引き起こしはしないか、そのことを危惧します。
一行政マンのささやかな問題提起が、どれほどの社会的影響力を持ち得たのかはなはだ疑問ではありますが、自分自身は良心に恥じない正直な行動ができたと満足しています。不当処分されるんじゃないかと心配してくれた同僚のみなさん、このページにご意見をお寄せいただいたみなさん、その他のご支援いただいたみなさんに感謝申し上げ、筆を置きます。